平成24年2月定例会 環境農林水産常任委員会 3月12日(月)

◎都市農業の振興について
◎E3実証事業について(E3=ガソリンにバイオエタノールを三%混合した自動車燃料)
◎災害廃棄物受け入れについて
◎大阪の農業、環境対策について

○委員長(三浦寿子君) 次に、北川法夫君を指名いたします。北川委員。

◆(北川法夫君) 自民党の北川法夫でございます。
 私は、大阪の都市農業がこれからどうなっていくか心配の余り、そして振興策をどのように考えておられるのかについてお聞きしていきたいと思います。
 大阪では、水なすや全国生産量二位のシュンギクを初めとする軟弱野菜など多くの農産物が生産されており、府民に供給をされておるわけであります。これらの農産物の販売の七割が、八百五十四名の専業農家によって販売されておるとお聞きいたしております。
 現在、特産となっている多くの農産物については、長年の経験や努力によって農家の産地化がなされておるわけでありまして、今では全国的なブランドに成長した水なすも、農家が研究して栽培し続けてきた結果、現在の品質を確立することができて、大和川を越えないと言われた流通域を全国にまで広げてきておるわけであります。
 このように、農産物のブランド化は、一朝一夕には実現をしないわけであります。今後、大阪農業の振興を図る上で専業農家の育成確保が重要であると考えますが、府としてどのように支援策を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。

◎推進課長(西江明洋君) 大阪の専業農家の多くは、常に新たな技術の導入に取り組むだけでなく、販路や食品加工までも視野に入れた経営戦略のもとに農業を営んでおられます。これらの農家が生産する新鮮で安全安心な農産物は、府民にとって、なくてはならないものと考えております。
 府では、高品質な農産物の生産を支援するため、病害虫防除技術や土づくり技術、安全安心な農産物の生産技術など、普及指導員による定期的な現地指導により技術力の向上に努めてまいりました。
 今後は、水なすに続く新たなブランド品目の育成支援、さらには民間企業と連携した生産から加工、販売までを行う農業の六次産業化などを含めて、大阪の特性を生かした強い農業の実現に向けた取り組みを進め、約八百五十名の主力農業者確保を目標としてまいります。

◆(北川法夫君) 今おっしゃっていただいた専業農家の多くは業として成り立っておるわけでありまして、今後とも大きく人材の育成や業として大きく育てていただきたいと思いますが、大阪の農業の中で、こういう専業農家と、一方では兼業や、そして農地というものがたくさん市街地の中で混在をしておるわけでありまして、その市街化の農地について、アクションプログラムの中でも何か視点が弱いんではないかというような感じ方を受けておりました。
 市街化区域内農地は、面積比率で考えると、大阪府内の農地は一万三千九百三十ヘクタール、そのうち三千九百十二ヘクタールと、三割近くが市街化区域内農地でありまして、三十年の永続を約束した生産緑地が二千百九十七ヘクタールも含まれておりまして、ここでも営農も決して軽視できないわけでありまして、北河内地域でも生産緑地を中心にオオバや紅タデ、レンコンなど高度な栽培技術を要する特徴的な作物の栽培を行って、地域農業を守ってきております。
 六次産業化に発展する事例が多く見受けられている今日でありまして、市街化区域内では、生産地が消費者に近いなど、大都市大阪のメリットを生かした農業振興を推進すべきと考えておりますが、どのようにお考えなのか、お答えを願いたいと思います。

◎推進課長(西江明洋君) 市街化区域内でも、生産緑地を中心に、軟弱野菜や水なすなどの高付加価値な園芸作物を集約的に栽培して高収益を上げる農業が行われております。スーパーなど地元の小売店と契約栽培を行ったり、小さいながらも都市住民から頼りにされる直売所を開設するなど、都市近郊であることのメリットを生かした農業経営を展開している農業者も多く、都市住民にとって不可欠なものと認識しております。
 府では、これらの農業者に栽培技術面での指導を初め、大阪産のPR、六次産業化の支援など、市街化区域においても農業振興を行ってまいりました。今後も大阪産のPRや直売所に対する栽培や経営面での指導など、農業者への支援を行い、担い手の確保育成に努めてまいりたいと考えております。

◆(北川法夫君) 都市化の進んだ市街化区域においてこそ、農地はかけがえのないものであります。新鮮で安心安全な農産物を供給する役割に加え、重要な農空間を提供して生活に潤いをもたらすなど、多面的な機能を発揮しております。都市住民にとって、今、不可欠なものになっておるわけであります。引き続き、市街化区域内の農業を守っていく必要があると考えますが、しかしながら今後、高齢化や後継者不足などを理由に、やむなくみずから耕作ができなくなっていく農家が増加される予想がされるわけでありまして、市民農園の開設などにより市街化区域内の農業や農地を守っていくべきだと考えておりますが、お考えはいかがでありましょうか、お伺いしたいと思います。

◎推進課長(西江明洋君) 市民農園についてでございますが、市民農園は、都市住民が農業を楽しみ、都会の中で緑や自然を感じることができる空間であるとともに、農を理解する場、地域のコミュニケーションの場としても期待ができるなど、市街化区域内の農業や農地を守る上で重要な取り組みと考えております。
 昨年二月に実施いたしました府民アンケートの結果を見ましても、市民農園を利用したいと思う府民の割合は五五%と高く、また昨年度の府内の市民農園の利用者募集の際には応募が二倍を超えるなど、府民の農に対するニーズの高さがうかがえました。
 今後、市街化区域内の生産緑地におきまして、みずからの耕作による農業生産の難しい農地につきましては、市民農園などの開設の支援をより一層進め、都市部の農地の保全に努めてまいりたいと考えております。

◆(北川法夫君) 市民農園にそういう応募が多いということ、また学校の教育等にも農園を貸したいという方もたくさんおられるわけでありまして、市街化区域内で農業を頑張っている農家も、将来、高齢化や後継者不足により農業が継続できなくなってしまうのではないかと考えております。
 特に、農地として担保されている生産緑地の農業振興に当たっては、法に基づく貸し借りに伴う相続税納税猶予の適用を受けることができないことなどがネックになって、また市民農園についても、農地を貸し付けた場合は相続税納税猶予が適用されず、利用促進に歯どめがかかっているわけであります。
 なお、国においては、平成二十一年の農地法の改正の際に、市街化区域内の農地の相続税納税猶予制度の適用については、都市計画制度の見直しとあわせて議論をするということとして、いまだ結論に至っておりません。日本の人口、また大阪の人口も減るというような形の中で、生産緑地、いわゆる市街化区域内の農地を宅地化していくということはだんだんとしないで済むんではないかと、そんな思いに当たっております。
 このように、生産緑地の農業振興や農地の保全に当たっては、相続税納税猶予制度がネックとなっているわけでありますけども、府の認識について伺いたいと思います。

◎農政室長(北宅久友君) 生産緑地につきましては、指定を受けますと、固定資産税は農地並み課税となります。また、生産緑地を相続によって取得し農業を継続する場合は、その農家本人が終身営農することを条件に、相続した農地にかかる相続税の納税が猶予されます。いわゆる相続税納税猶予制度の適用を受けることができます。
 しかしながら、お示しのとおり、生産緑地を相続した農家が市民農園を開設する場合や他の担い手に農地を貸す場合には、相続税納税猶予制度は適用されません。このことは、生産緑地を都市農業の振興のためにより有効に活用する上で大きな課題であると認識しております。
 このことから、生産緑地においても農家が市民農園を開設する場合についても、相続税納税猶予の適用が受けられるよう国に対し働きかけてきたところでございます。また、今年度新たに発足させました準農家を含めました担い手が生産緑地を借りることによって農業が行えるよう、貸し手農家が相続税納税猶予を継続して受けることができる農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定の生産緑地での適用についても国に対して働きかけてきたところでございます。しかしながら、いまだ実現を見ておりませんので、今後とも継続して国へ積極的に働きかけてまいります。

◆(北川法夫君) 生産緑地の農業振興、生産緑地も指定されてもう二十年以上たってきておるわけでありまして、三十年ということですから、もうそろそろ次の方策も考えないかんという時代に来ております。農地の保全活用をするためには、先ほど申し上げました農地という中での相続税、三大都市圏だけなんですよね、相続税納税猶予制度がネックになっているわけでありまして、農業者の営農が継続できて、都市部の優良な農地が保全できるよう引き続き国に対して今まで以上に強くやっていただきたいというように思っておりますが、ここに新しい知事も誕生して、松井知事も、そういう農業についてどう考えておられるのか、一回聞いてみたいと思いますので、お取り計らいのほど、委員長、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、E3事業についてお伺いいたしたいと思いますが、ガソリンにバイオエタノールを三%混合した自動車燃料、いわゆるE3についてお伺いしていきたいと思います。
 バイオエタノールなどのバイオ燃料は、地球温暖化対策の一つとして注目をされて、国でも平成二十二年六月に改定したエネルギー基本計画において普及目標を定めて、利用拡大に取り組んできておられます。このE3は、既にガソリンの規格として一般車両に使用することが認められており、広く国民に受け入れられれば、即効性のある対策として期待されておるところでございますが、一方で課題もあると聞いております。
 こういった状況の中で、大阪府では、平成十九年度から今年度までの五年間で、環境省から委託を受けてE3の実証事業に取り組んできたわけでありますけども、今年度、事業が終了するということで、何点か確認させていただきたいと思います。
 まず、E3実証事業の内容と成果についてお伺いしたいと思います。

◎地球環境課長(水丸隆雄君) E3の実証事業でございますが、E3を大都市圏において実用に近い規模で流通させ、品質管理手法などの技術的検証を行うとともに、認知度を向上させることを目的として実施したものでございます。
 事業スキームといたしましては、ガソリンとバイオエタノールを混合してE3を製造し、関西圏を中心にガソリンスタンドにおいて販売してまいりまして、またこれらの各段階において詳細な品質の分析を行うとともに、ユーザーに対する啓発活動とその効果について把握してまいりました。
 五年間の実証事業におきまして、利用台数は延べ約二百十八万台、販売量は約四万七千キロリットルであり、最大時は平成二十二年度で、E3販売スタンドが二十カ所、年間販売量は約一万六千キロリットルでございました。この実証事業での技術的検証の結果、E3の製造、輸送、販売を通じてE3の品質の変化や劣化はなく、レギュラーガソリンと同様の管理で問題のないことを確認しております。
 また、認知度の点では、アンケート調査によると、事業開始当初は二六%の人にしか知られていなかったE3が、昨年度の調査では六〇%の人が知っているという状況まで向上しているという結果が得られております。

◆(北川法夫君) 実証事業では、技術的な検証と認知度の向上を目的として実施してきたということでありまして、二六%しか知られない方が、昨年では六〇%と、こういう認知度は高まってきたという御答弁を今いただいたんですが、まずその中で詳細についてお伺いをしたいんですが、技術的な課題について、E3では、エタノールが空気中の水分を吸収するということによって品質の劣化の可能性が指摘されておりました。また、自動車の排気ガスや自動車の本体の影響についても懸念があったところでございますが、これらの課題について実証事業ではどのように検証されたのか、その結果についてお伺いしたいと思います。

◎地球環境課長(水丸隆雄君) まず、E3の品質に係る水分についてでございますが、本実証事業でもこの水分については特に着目し、製造や販売の段階で詳細に検査を行ってまいりました。その結果、E3の製造段階では、水分濃度は、最大でも三百二十三ppmであり、水分の影響が懸念される濃度とされております千二百ppmを大きく下回る結果でございました。また、販売段階のスタンドにおきましては、地下貯蔵タンク内の水分の有無を三日に一回の頻度で検知薬を用いた方法で検査してまいりましたが、すべてのスタンドで水分が検出されることはありませんでした。
 一方、自動車本体や自動車排ガスについてでございますが、これらへの影響がないことを前提としてE3の品質規格が定められておりますが、このうち排ガスにつきましては、実証事業に先立ちまして、平成十八年度に本府が実施いたしました排ガス試験において規制値を十分下回っておりました。また、実証事業の期間中、E3を利用することによる車両のトラブルは報告されておりませんでした。
 このように、E3について懸念された水分の問題はなく、また自動車本体や排ガスについても影響がないことを確認してきたところでございます。

◆(北川法夫君) 水分の問題や自動車への影響といった技術的な課題については、実証事業で検証したということはよく理解をさせていただきました。
 次に、このE3の普及について質問をさせていただきますが、先ほど答弁で、実証事業期間中のスタンド数は最大で二十あったということでございますが、実証事業でのE3の供給が終了した時点ではE3の販売を継続しているスタンドは十カ所と減っておるわけでございまして、今後、このE3を普及させていく上でスタンド数は一つの目安と考えておるわけでありますが、減少しているということは、E3に何か問題、解決すべき課題があるのではないかと思っておるわけでありますが、この点についていかがお考えなのか、お聞きしたいと思います。

◎地球環境課長(水丸隆雄君) 実証事業におきましては、スタンド事業者の協力を得まして、E3販売を行いながら消費者に対する利用促進方策や消費動向の検討に必要となるデータを取得してまいりました。
 今回の事業では、レギュラーガソリンのすべてをE3に切りかえて販売しても、販売量がふえたスタンドもございました。こういったスタンドの特徴を利用者へのアンケート調査等から検討しましたところ、消費者に対してE3のメリットを丁寧にわかりやすく説明するといった努力が行われていることがわかりました。このため、今後、E3の利用を拡大させていくためには、このようなスタンドの取り組みも利用者の意識に大きく影響するポイントの一つであると考えております。
 また、今回、実証事業を終了するに際しまして、本事業でのE3の製造、供給は、本年一月末で終了しております。現在は、民間事業者によりE3の製造、供給が行われております。このような中、実証事業に参加していたスタンドにおかれましては、実証事業としての供給が終了するということに当たりまして、事業者間の条件面での折り合いでございますとか、E3を販売することに対する経営上の戦略といった観点からE3の販売を継続するか否かを判断されました結果、このうち十カ所のスタンドが継続されることとなった次第でございます。
 これらのスタンドでございますが、十カ所で実証事業全体の販売量の約八割を占めていたところでございまして、E3の持つ環境価値に着目し、積極的にPRして販売量を伸ばしてきたスタンドが販売を継続することになったものでございます。

◆(北川法夫君) E3の販売実績があるところは伸びておるということでございますが、このE3事業での取り組みの成果を中心に聞いてきたわけでありますけども、一方、諸外国では、よりバイオエタノールの濃度を高めたE10やE20などを利用されておる国もあるわけでありまして、我が国でも、E3だけでなくE10などに広げていくべきだと考えるわけでありまして、本府では、E10についても実証事業を実施しておりました。その結果はどうであったのか。また、現在使用されている車両ではE10を使えないと聞いておりますが、E10の対応車両の今後の普及見通しについてお考えを示していただきたいと思います。

◎地球環境課長(水丸隆雄君) E10についてでございますが、本府におきましても、平成二十一年度と二十二年度に環境省の委託を受けまして、高濃度バイオ燃料実証事業として、E10の実用化に向けて必要な技術検証を行っております。
 この事業では、燃料品質などのデータを収集したほか、特別に国土交通大臣の認定を受けたE10対応車両三十四台を公用車として使用することで実走行試験を行うとともに、排ガスの試験も実施しております。その結果、E10についても実用が可能であることを確認してまいりました。
 また、ここで収集したデータを踏まえ、現在、国においてE10の燃料規格ですとか自動車の保安基準、消防法上の取り扱い等関係法令の改正作業中でございまして、間もなくこれらの制度が整う予定と聞いております。
 また、E10対応車両の販売供給につきましては、国内の自動車メーカーは既に海外でのE10対応車の販売実績がございますので、技術的には十分対応可能であると聞いております。また、関係法令の整備の動きを受けて、今後、国内でも順次E10対応車への切りかえを進めていく方針と聞いております。

◆(北川法夫君) 府が実施してきた実証事業によって、E3については技術的に問題がないということが明らかになっておるわけでありまして、また社会でのE3の認知度も、先ほどの答弁にありましたように、向上しておるということであります。E10についても、法令改正につながるデータを集積してきたということで、一定の成果を上げているということは理解させていただいております。
 しかし、技術的な課題をクリアしても実際に利用する人がふえていかないと地球温暖化対策としての真の効果はあらわれないと考えるわけでありまして、実証事業に取り組んできた大阪府として、今後、E3の利用を拡大していくため、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをしたいと思います。

◎地球環境課長(水丸隆雄君) 実証事業は本年度で終了いたしますが、この間に、技術的な問題がないことが明らかとなり、また認知度が向上したことなどから、実際に民間事業者がE3の製造販売事業に参入してきたところでございます。
 このように、E3が実証から実用段階へ移ってきたことを踏まえ、本府といたしましては、実証事業を通じて蓄積した品質管理面や消費動向等の知見をE3事業に取り組む事業者等へ提供するとともに、E3販売スタンドに関する情報の発信を行うなど、民間事業者の取り組みを支援することによりE3の普及を促進してまいります。

◆(北川法夫君) E3、E10の実証事業の内容、成果、今後の取り組みについては、聞かせていただいて、その実証事業の成果を普及というものに努めていかなければ意味がないと思うわけでありまして、しかしE3やE10を多くの人に使ってもらうためには、市場原理といいますか、価格は重要なものであると、その要素がすべてかなというふうに考えます。
 E3の認知度は向上したところでございますが、E3に対しての不安を持つ利用者がいるんではないかなと思うわけでありまして、価格面での大きなメリットがなければ、E3に変えていこうという意識がふえてこないというように思うわけでありまして、例えばE3やE10の場合は、ガソリン税の暫定税率を免除するくらいの思い切った施策が必要でないかというふうに考えるわけでありまして、税制については積極的に国が対応するかもしれませんが、実証事業をした大阪府として、E3、さらにはE10の利用促進につながる支援策として積極的にこれも国に働きかけていただきたいと思うわけであります。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、災害廃棄物の受け入れについてお伺いをしていきたいと思います。
 会派の代表質問でも、東日本大震災の復興支援についてお聞きいたしました。被災地で発生した災害廃棄物の処理は非常に大きな問題と認識を私もしております。少しでも早く災害廃棄物の処理がされて、被災地が早期に復興することを切に望んでおります。
 一方で、災害廃棄物を府が受け入れするに当たっては、当然のことながら、府民の安全安心を確保することが必要不可欠でございます。
 府が昨年十二月二十七日に策定した大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針では、専門家による検討結果を踏まえて、府民の健康に影響がないレベルとして、受け入れる廃棄物の目安値が一キログラム当たり百ベクレル以下、埋め立てる焼却灰等の目安値は一キログラム当たり二千ベクレル以下と定め、受け入れのための準備を進めているとお聞きをいたしておりますが、個々の処理内容について順次お伺いをしていきたいと思います。
 まず、府内にはどれだけ災害廃棄物を処理できる焼却施設があるのか、またすべての施設で焼却することを想定しているのか、お伺いしたいと思います。

◎資源循環課長(礒田浩君) 災害廃棄物の処理が可能な焼却施設についてでございますが、府内で、一般廃棄物の焼却施設を所有する市町村や一部事務組合は二十五団体あり、四十六の一般廃棄物焼却施設がございます。このうち、府の災害廃棄物処理指針の基準を満たす施設は三十七施設でございます。
 各市町村や一部事務組合によりましては、焼却炉の数や処理の余力といった事情が異なりますので、それらを十分に考慮しながら、一施設でも多くの焼却施設で受け入れていただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。

◆(北川法夫君) 私は、焼却施設は、市町村ともいろんな形でございますが、集約したほうが効率的と主張をしてきております。今回の災害廃棄物についても、複数の焼却施設で処理するよりも、焼却する場所を限定して処理したほうが効率的だと思っております。しかし、今回の災害廃棄物の受け入れについては、スピード感を持って対処していく必要があり、できるところからできるだけ早く処理をする必要があることは理解をしておるところであります。
 一方で、府民の安全を無視することは絶対にあってはならないわけでありまして、府民の安全確認が最優先であり、そのためにも、放射能の目安値の確認、焼却炉での対策を初めとする各処理工程での管理が非常に重要だと考えるわけであります。
 災害廃棄物の処理を行うに当たり、府民の安全安心の確保のための具体的な対策や手法についてお伺いしたいと思います。

◎資源循環課長(礒田浩君) 災害廃棄物処理の具体的な対応策でございますが、災害廃棄物の受け入れの目安値である放射性セシウム濃度が一キログラム当たり百ベクレルを下回るもの以外は府域に持ち込まないよう、被災地でしっかり確認することが重要であると考えております。このため、被災地において、二次仮置き場で破砕、選別された災害廃棄物を府域に搬出するためのストックヤードにおいて、木くず、紙くずなどの組成ごとに放射性セシウム濃度を測定し、百ベクレルを下回ることを確認いたします。
 画面をごらんください。放射性セシウム濃度の高い災害廃棄物が混入しないよう、災害廃棄物周辺の空間線量率を測定することにより、目安値を超過するおそれのある災害廃棄物を除外いたします。さらに、周辺の自然放射線を除く災害廃棄物だけから放射される放射線量を確認するため、災害廃棄物と測定器を鉛製の箱の中に入れ、遮へい線量率も測定いたします。このように、被災地で十分に安全性を確認できた災害廃棄物だけを搬出したいと考えております。
 以上の被災地での測定に加え、府域に搬入された後も、積みおろし、選別、焼却から埋め立てに至る一連の工程で作業員や周辺環境に影響がないことを確認するため、作業場所や処理施設の敷地境界で空間放射線量率を定期的に測定することとしています。例えば焼却施設では、受け入れ期間中に、敷地境界や施設内での空間放射線量率を週一回、排ガス、排水、主灰、飛灰などの放射性セシウム濃度を月一回測定し、異常値が確認された場合には速やかに処理を停止し、原因究明を行うこととしています。
 これらの放射性セシウム濃度や空間放射線量率の測定は、速やかに府民に公表することで、安全安心の確保に努めてまいります。

◆(北川法夫君) 焼却施設を初め、安心安全について確認するための措置を徹底していただきたいと思います。
 焼却施設が決まっていっても、焼却灰の埋め立てを行う最終処分場が大きな課題となって残っておるわけでございまして、まず大阪府が候補として挙げているフェニックスの処分場の状況についてお伺いをしたいと思います。

◎資源循環課長(礒田浩君) フェニックスの処分場につきましては、近畿二府四県百六十八市町村と四港湾管理者が出資してつくられた廃棄物最終処分場であり、大阪湾に四カ所の埋立処分場がございます。四カ所の埋立処分場は、尼崎沖埋立処分場、泉大津沖埋立処分場、神戸沖埋立処分場並びに大阪沖埋立処分場でございます。
 焼却灰は、管理型最終処分場で処分する必要がありますが、尼崎沖埋立処分場と泉大津沖埋立処分場につきましては、平成十三年度に廃棄物の受け入れを終了しており、現在利用されているのは神戸沖埋立処分場と大阪沖埋立処分場の二カ所でございます。平成二十三年三月末時点での神戸沖埋立処分場の進捗率は六二・六%、大阪沖埋立処分場の進捗率は六・七%となっております。

◆(北川法夫君) フェニックス処分場の件については理解をいたしました。最終処分場が決まらないことには、市町村も受け入れに向けて動き出せず、処理が進まないのが現状かと思うわけであります。
 最終処分場、特に海面における管理型最終処分の安全性については環境省が個別評価を行うと説明を受けておるわけでありますが、個別評価とはどんなものなのか、今後のスケジュールを含めてお伺いしたいと思います。

◎資源循環課長(礒田浩君) 個別評価につきましてでございます。海面における管理型最終処分場への埋め立てに関して、国に対して具体的に埋め立てる廃棄物の種類や埋立方法を提示し、安全性について検討していただくというようなものでございます。
 主な検討項目は、焼却灰からのセシウムの溶出度合いや埋立処分場の構造、立地、埋立処分方法、排水方法、陸地部の有無などで、処分場ごとに安全性を評価するものでございます。個別評価の対象となる処分場といたしましては、先ほど御説明申し上げましたフェニックス埋立処分場と大阪市が所有する北港処分地がございます。
 おのおのの処分場の個別評価に関する予定でございますが、フェニックス埋立処分場につきましては、関西広域連合として、災害廃棄物の受け入れに向けた統一基準を策定した上で、管理者である大阪湾広域臨海環境整備センターに個別評価を受けるよう働きかけることとしております。また、大阪市の北港処分地につきましては、個別評価を受けるべく、現在、大阪府、大阪市共同で、国と協議をしているところでございます。
 このように、海面の管理型最終処分場の個別評価につきましては、関係機関が多岐にわたりますが、できるだけ早く進めて最終処分場を決定してまいりたいと考えています。

◆(北川法夫君) 今年度にこの瓦れきの処理の予算も上がっておるわけでありまして、いろいろ代表質問、一般質問等でも早期にめどをつけたいと、こう答弁がございまして、知事が、それぞれ府市統合本部で瓦れき処理についてどのように検討されておるのか、また先ほど答弁のありました二十五市町村、四十六の一般廃棄物の施設があるということでありますが、一団体で、大阪市のように何カ所も焼却炉があるわけでありまして、そういう処理について、一回、知事の考え方を、どのように進めておられるのかお聞きしたいと思いますので、知事質問を要求させていただきますので、委員長のほうでよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 先ほど来、いろいろと、農業振興、またE3について、部長の任期中に、あと今年で終わられるというようなお聞きもしておるんですけども、最後に、やめられる前に、きちっと大阪の農業というもの、またその環境の対策について、すべて大阪をどのようにしていったらいいのか、長年御苦労いただいた部長のお考えを聞かせていただいて、私の質問は終わりたいと思います。

◎環境農林水産部長(柳楽久君) 私は、昨年度から二年間でございましたけども、環境農林水産部長を拝命いたしまして、委員の皆様方のさまざまな御指導をいただきながら、この間、やってまいりました。
 この二年間で申しますと、環境行政のほうは、特に今年度はエネルギーの問題、あるいは災害廃棄物の処理の問題、非常に大きなテーマが今年度出てまいりまして、これに道筋をつけるべく、この間、懸命に対応してまいったところでございます。
 それから、農林水産業にかかわります問題といたしまして、これは昨年度から今年度にかかっておりますけども、組織の独立行政法人化あるいは指定管理制度といった組織の仕組みにかかわる問題がございまして、これについても、昨年来、委員の皆様方としっかりと議論、意見交換をさせていただきまして、今、今年度の予算でもお願いをしておりますけれども、来年度からの実施に向けて、今、スタートを切ろうとしておるところでございます。
 大阪の農林水産業、きょうも御質問がございました。本当に厳しい状況にございますので、これにどう道筋をつけていくのかということが一番の大きな課題でございますが、環境農林水産部という組織の名称にしてございます。大阪の農林水産業というのは、やはりこの大都市大阪にとりまして非常に大きな環境資源、資材であるというふうに考えておりまして、これは、私は、少し前になりますけれども、ちょうど大阪府の組織、部制を改正するときにその担当をしておりまして、環境農林水産部の発足に立ち会った経験を持っておりますが、実際にこの環境農林水産行政を部長としてやってまいりまして、さらにやはりその思いを強くしております。
 ただ、これを実際に実現していくためには、それぞれの担い手、プレーヤーの方々がしっかりと頑張っていただくということが何よりも重要でございますので、その点にしっかりと力を入れていきたいというふうに思っております。

◆(北川法夫君) 今、力強い御答弁をいただきました。当然のことながら、行政は継続性がございますので、今の部長の思いをこれからの人も十分継いでいただいて、大阪の発展のために寄与していただくことを心から願って質問を終わります。ありがとうございました。

○委員長(三浦寿子君) 北川委員に確認いたします。知事質問の通告でございますが、初めに、都市農業の振興なんですけれども、これは、特に専業農家の育成とかそういうことでいいんでしょうか。
◆(北川法夫君) そうですね。それと、相続税の納税について国に対する知事の見解。どう思いを持っているのか。

○委員長(三浦寿子君) 国に対する知事の見解ですね。

◆(北川法夫君) はい。

○委員長(三浦寿子君) それと、災害廃棄物処理について、知事のお考えを。

◆(北川法夫君) はい。災害廃棄物の、大阪市との連携とか、統合本部でどうされているのか。

○委員長(三浦寿子君) この二つの項目ということで。

◆(北川法夫君) 要求だけはしときます。知事質問の要求ね。

○委員長(三浦寿子君) わかりました。一応、委員長預かりということで