●北川法夫
地元の課題について数点質問させて頂いて、意見を申し上げたいと思います。
最初に、寝屋川流域の課題について。
近年、全国各地で、集中豪雨による被害が発生しております。
防府市では、死者14名、全半壊95棟、浸水家屋1,123棟、佐用町では、死者18名、行方不明2名、全半壊876棟、浸水家屋162棟など、大きな被害がでています。
寝屋川流域は大半が低平地で、急速な都市化、地盤沈下により、厳しい治水環境になっています。その為、河道改修に加え、地下河川、遊水地、流域調節池、下水道の増補幹線などの施設整備を行い、総合的な治水対策が進められていますが、何時、大きな被害が発生するか分からない、寝屋川流域の治水対策の進捗状況と防府市、佐用町並の豪雨が発生した時、どの様な被害が想定されるかお伺いしたい。
●河川整備課長
寝屋川流域では、戦後最大降雨、時間雨量63ミリ、日雨量311ミリに対応できるよう、毎秒2,700立法メートルの洪水を処理する流域整備計画を策定し、公民一体となって総合的な治水対策を進めています。
平成20年末までに11kmの地下河川、4カ所の遊水地、16カ所の流域調節池、4kmの下水道増補幹線などを供用し、目標の64%に当たる毎秒1,700立法メートルの洪水が処理できるまで整備が進捗しております。
防府市、佐用町と同じ規模の雨が降った場合、流域の五分の一で内水浸水が生じると想定しております。
●北川法夫
五分の一で内水浸水が起こると言うことですが、寝屋川市は24平方キロですが、具体的に、教えて頂きたい。
●河川整備課長
寝屋川流域の五分の一の大きさは50平方キロメートルで、寝屋川市の面積のほぼ2倍にあたる面積です。
●北川法夫
寝屋川市が二つぐらい、寝屋川市、守口市、門真市と合わせた面積に等しい内水の浸水対策を早くして頂きたい。寝屋川市でも、平成20年8月に時間雨量112ミリと言う猛烈な雨が香里園駅周辺でありました。床上浸水が123棟、床下浸水が1,231棟発生しました。
このような集中豪雨の時は、下水道や水路から、取水して下流の負担を軽減する流域調節池が最も重要な施設と考えています。
この流域で一番に出来たのが香里の調節池で、寝屋川市では調節池が整備されてきていますが、北西部や中心部、木田町付近では浸水が毎年発生しております。新たな調節池の整備が必要と考えております。今の整備状況と今後の見込みを伺います。
●河川整備課長
流域調節池は寝屋川全流域で180万立方メートルの貯留量を確保する計画です。平成20年度までに31万5千立方メートル、17%を確保しており、寝屋川市域では3カ所、5万4千立方メートルが完成しました。千里丘寝屋川線下(仁和寺)調節池1万6千立方メートルは22年度に供用する予定です。
また、木田町地区の浸水被害軽減の為の新たな調節池は早期に着手できるよう設計等の準備を進めています。
●北川法夫
続いて、寝屋川流域の水質改善対策について伺いたい。
知事は、堂島川や土佐堀川で泳げる川を目指したいと宣言された。我が党の一般質問でも上流域の寝屋川の水質改善に積極的に取り組むと答弁を頂いております。
寝屋川の上流域寝屋川市には、寝屋川と古川が有ります。寝屋川市は下水道普及率がほぼ100%となり、寝屋川は渚の水みらいセンターの高度処理水の導水等により水量も増え、流れるほどに綺麗になっていく、そんな思いをしておりますが、古川においては、水質改善が進まない。古川の上流部は網目状の農業用水路と排水路が混在し、管理者がまちまちで議論が十分なされなかったことが現状です。
農業用水路の水量の確保、河川につながる水路全体で良好な水循環を実現することが重要であると申し上げてきた。検討する課題は多いと認識しておりますが、下流域の水質改善と言う立場から、古川上流の水循環の再生に向けて、関係部局が連帯することが重要だと思います。
今後の取り組みについて伺いたい。
●河川環境課長
水都大阪の再生に向けた水質改善に係わる府・市連絡会を立ち上げ議論を行い、特に寝屋川流域では生活排水対策の一層の推進が必要と再認識しております。
今後、一層の水質改善に向けて、接続する上流域での対策は、庁内で農林部局と検討会を立ち上げ議論してまいります。国・関係市・水利権者・流域住民等と協議する場を設け、流域全体での対応となるよう働きかけます。
●北川法夫
堂島川を泳げる川にするため、上流部の寝屋川の水質改善は必要で、浄化のためどうしていくのか、知事に伺いたい、委員長よろしくお願い致します。
次は、千里丘寝屋川線について伺いたい。
京都守口線との立体交差が春には完成しますが、梅が丘黒原線以南、京阪萱島駅までの区間は整備が進んでいない、事業促進を図るため、事業用地の先行取得に協力頂いた方が多数存在します。これまでの取り組みについて伺います。
●道路整備課長
京都守口線との立体交差は、平成22年春の供用を目指して進めております。梅が丘黒原線から府道木屋門真線までの区間については、約1万平方メートル、用地取得率46%の事業用地を保有しております。
この区間は平成13年に次期整備区間としておりましたが、財政再建プログラム案により着手の見込みがついていない状況です。
●北川法夫
税金を使って取得した土地を工事に着手せず、放置しておくのは好ましくない。納税者の立場から、地域の為に役だっていけたらと、ゲートボール場とかに貸し出している。
20年度からは民間に貸し付け、収益を維持管理費に充てる取り組みを始められた。取り組み状況と進め方について伺いたい。
●用地室長
20年8月より、事業予定地の貸し付けを開始、千里丘寝屋川線では、3件1,156平方メートル、年間871万円余り、さらに21年度内に5,000平方メートル、年間3.300万円の収入を見込んでいます。
●北川法夫
事業着手しない道路予定地を貸し付け、収益を削減された維持管理費に充てる、都市整備部の考え方は、そのようであるかもしれませんが、土地を提供した地権者、地元住民、活性化を望む人々は、貸し付けが終わった後は、確実に道路として整備されるべきと考えます。
このまま、塩漬けの土地になってしまえば、今後、公共工事の用地買収はさらに困難になると考えられます。千里丘寝屋川線のような取得率の高い路線については、貸し付け収益の一部で当核路線の整備を進めることは出来ないか、伺いたい。
●道路整備課長
厳しい財政状況の中、維持管理費についても削減の対象となっており、予算確保が大きな課題となっております。梅が丘黒原線から木屋門真線の間についても、半分近くの用地のご協力を頂いていることや、地元からの早期整備を要望されていることなどから、必要性は十分認識しておりますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
●北川法夫
財政再建プログラム案により、都市基盤整備がなかなか進まないことは理解できる。私もこれまでこの委員会でもさまざまな要望、提案を行ってきました。
そこで、土地貸し付けの収入や既存のストックの活用により、将来世代に安全と安心が確実にバトンタッチ出来るよう、都市基盤整備は着実に推進していくことが我々の務めであると考えます。夢のある未来に一歩でも近づけるよう着実に進められるよう強く要望致します。
関連して、密集市街地の対策、不燃領域の向上と消防活動困難区域の解消について、寝屋川市における進捗状況を伺います。
●居住企画課長
不燃領域率は、平成24年末までに、燃え広がる度合いが大きく減るとされる40%を、目標にしております。平成20年で萱島東地区39.7%、池田、大利地区33.7%、香里地区57.3%となっております。
消防活動困難地区は、萱島東地区7.6ヘクタール、地区全体の15.6%、池田、大利地区では、24.3ヘクタール、36.8%、香里地区、16.5ヘクタール、12.4%となっております。
●北川法夫
目標、40%を24年度末で、大体めど近くまで達している。不燃領域率は、香里地区は50%を越えて、順調に進んでいると思いますが、今後の取り組みを伺いたい。
●居住企画課長
平成22年をめどに準防火地域の指定を行うことにして、説明会の実施など、都市計画の決定に向けた取り組みを進めています。萱島東地区では防災性の向上に役立つ公園の整備を予定しております。
●北川法夫
昭和59年以来、木造密集地域をいかに解消していくか皆さんのご努力を頂いて、徐々に効果は現れていますが、全体の解決がいつ出来るのか、伺いたい。
●居住企画課長
不燃領域率40%を越える成果を上げる地区もありますが、十分でないと承知しております。地元市とも知恵を出しながら、早期に取り組んでまいりたいと思います。
●北川法夫
次代に負債を残さないと言うことですが、私が生きているうちに終わらないなら、次代に送らなければならない、そんな不安を感じます。
主要道路、都市計画道路、公園、土地区画整理事業など課題が沢山あります。この委員会も、今年から、都市住宅常任委員会と言う、新しく出来た委員会ですが、道路整備と都市基盤整備を一緒にやっていく委員会が生まれたことは大変喜んでおります。